SUBJECT FILE NO. IJM-0044
CLASSIFICATION: HISTORICAL ARCHIVE
ルイ・パスツール
Louis Pasteur
化学者・細菌学者
SECTION I -- 人物概要
| 氏名 | ルイ・パスツール |
|---|---|
| 英名 | Louis Pasteur |
| 出身国 | フランス |
| 生没年 | 1822–1895 |
| 性別 | 男性 |
| 世紀 | 19世紀 |
| 分野 | 医学 |
| 肩書 | 化学者・細菌学者 |
SECTION II -- 経歴
1822年、フランス東部ジュラ地方の小さな町ドールで、ナポレオン軍の元軍曹だった父ジャン=ジョゼフの営む皮なめし職人の家に生まれたルイ・パスツールは、家業を継ぐよりも上の世界へと息子を送り出したい父の期待を一身に背負って育った。幼い頃は学業よりも素描を好む穏やかな少年で、成績もけっして抜群ではなかったが、忍耐強く几帳面な観察者としての資質を徐々に伸ばしていった。
パリの高等師範学校を卒業した後、1848年、26歳で酒石酸の結晶を顕微鏡で観察し、分子に右手型と左手型の鏡像異性体が存在することを発見したことが最初の大きな栄誉となった。最初の転機はその後、北フランスのワイン・ビール業者から、なぜ自分たちの酒が腐るのかという実務的な相談を受けたことである。地道な実験を重ねた彼は、発酵も腐敗もすべて目に見えない微生物の働きであることを証明し、1862年には酒を穏やかに加熱することで腐敗菌だけを殺す「低温殺菌法(パスツーリゼーション)」を確立して、長年信じられてきた「自然発生説」を葬り去った。
第二の転機は1879年、ニワトリコレラの研究中に偶然弱毒化した菌を鶏に接種したところ発症せず、しかも後の強毒株からも守られるという現象を発見した瞬間だった。ここからワクチンという普遍的原理を直感した彼は、1881年にはプイイ=ル=フォールの野外実験で炭疽病ワクチンの効果を劇的に示し、1885年7月には狂犬に噛まれた9歳の少年ジョゼフ・マイステールに世界初の狂犬病ワクチンを接種して命を救った。
この成功に世界中から寄付が殺到し、1888年にはパリにパスツール研究所が設立される。1895年、73歳で研究所近郊に息を引き取った後も、彼が切り拓いた細菌学と免疫学は数え切れない命を救い続け、研究所は今日も最先端の感染症研究を導いている。
SECTION III -- 年表
SECTION IV -- 名言
“幸運は準備された精神にのみ宿る。”
“科学に祖国はない。知識は人類のものだからである。”
SECTION V -- エピソード
[A]少年ジョゼフ・マイステールを救う
1885年7月、医師の資格を持たなかったパスツールは、狂犬に激しく噛まれた9歳のジョゼフ・マイステールに未完成の狂犬病ワクチンを接種するか数日間悩み抜いた末に決断した。少年は生き延び、この出来事は近代免疫学の誕生として今も語り継がれている。
SECTION VI -- 影響と遺産
パスツールは細菌病原説によって無数の命を救い、低温殺菌法は今日も食品衛生の世界標準として生きている。彼が設立したパスツール研究所は死後1世紀以上を経てなお、微生物学・ウイルス学・免疫学の最前線を牽引し続けている。
SECTION VII -- 代表作・主な功績
- [01]細菌病原説(1862年)
- [02]低温殺菌法(パスツーリゼーション、1864年)
- [03]炭疽病ワクチン(1881年)
- [04]狂犬病ワクチン(1885年)
- [05]パスツール研究所設立(1888年)



